女子は平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(23=クラレ)が大会史上初となる3連覇で最多タイの5度目の優勝を飾った。

1回目93・5メートル、2回目は最長不倒の98・5メートル。90メートルのK点越えを女子で唯一、2本そろえた。高梨は「風が強い中で自分が自分のやるべき事が出来た」と納得顔だった。

今季は強力なアイテムを手にした。「かぶっているだけで自分が翼を授けられたような感覚にさせてくれる」。7月下旬に大手飲料メーカー「レッドブル」と契約。W杯で2度の総合優勝を果たしたモルゲンシュテルン(オーストリア)ら名選手が同社のヘルメットを着用する姿は「小さいころの夢」。これがモチベーションになり、8月のサマージャンプ2戦を含め国内3連勝と波に乗る。

22年北京五輪に向けて、アプローチ(助走路)のポジションなど試行錯誤した昨季はW杯1勝にとどまり、個人総合でも過去最低の4位に終わった。それでも「昨年は1年かけて自分と向き合って挑戦してきた。収穫の大きかったシーズン」。昨季からの上積みを図ろうと、今夏は助走の練習をメインに行った。ビデオをあらゆる角度から撮影し、感覚とデータをすり合わせる作業を繰り返した。「速度も安定して出てきている」と、手応えもつかみつつある。

27日のNHK杯(大倉山競技場)と続く札幌2連戦は、例年は冬季の国内開幕戦となるが、今年は夏仕様のレールで実施。本格的な冬シーズンに向け「良いイメージを徐々につなげていきたい」と先を見据えた。