昨季GPファイナル女王の紀平梨花(17=関大KFSC)が、今季世界最高の81・35点で首位発進した。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を鮮やかに成功させるなど、全てのジャンプで加点を得た。フィニッシュでは、力強く右手で握り拳を作り笑顔。「重要な大会が来たという気持ちだった。GPシリーズは勝ち進まないといけないので、そこは意識してしまった」と緊張感がありながらもノーミスでまとめた。女子唯一の80点台に「3回転ループでどうかなって不安だったけど、すごくうれしい点数が出た」と素直に喜んだ。

新たな出会いが、3回転半の成功につながった。師事を受けている浜田美栄コーチに今オフから本格的に指導を受けている韓国の新星、劉永(ユ・ヨン)と、何度か一緒に練習する機会があった。ともに今大会に出場しており、自身の演技前に3回転半を決めたのを見て「練習での安定感がいい刺激になっている。一緒に戦ってきた仲間としていいジャンプが2人とも跳べたのはよかった」と励みになっていた。

SP、フリー合計で世界最高得点を保持するトルソワ(ロシア)を6・95点リードしている。優勝を懸けたフリーに向けて「誰がどんな演技をしても、とにかく自分の演技を完璧に滑ることだけを考える」と自分自身に集中して臨む。【佐々木隆史】