【オクラホマシティー(米オクラホマ州)=奥岡幹浩】デビュー2戦目にして早くもエース級の働きだ。ウィザーズのルーキー八村塁(21)がサンダー戦に先発してチーム最長の約35分プレー。終盤の勝ち越しシュートを含む自己最多の19得点を挙げ、97-85の今季初勝利に貢献した。本調子を欠いた大黒柱ビールをカバーするかのように奮闘。鮮烈デビューを飾った開幕戦に続いて、またも強烈なインパクトを残した。

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ここぞという場面で、しっかり決められるのがスター候補の証し。デビュー2戦目にして、八村が勝負強さを遺憾なく発揮した。

第3クオーター(Q)終了時点で8点をリードしていたウィザーズだが、粘るサンダーに最終Qで詰め寄られ、83-83の同点にされた。そうして迎えた残り4分9秒。ボールを受けた八村は、ドリブルでゴール下のスペースに鋭く切れ込みシュート。「大学のときから、(試合の)最後に活躍できる選手になるように言われていた。そういうところを意識した」。ゴンザガ大のヒュー監督から受けた教えを、最高峰の舞台でも実践した。

ルーキーの勝ち越し点でチームは息を吹き返し、連続14得点。この間に八村もフリースローを続けて決め、貴重な追加点で勝利を引き寄せた。ブルックス監督は、「彼は精神面の強さが最大の長所。メンタルの強さは誰にも劣らない。最後のフリースローもしっかり決めてくれた」とたたえた。

エースのビールはフィールドゴール(2点、3点シュート)成功率31・2%と調子を欠いていた。そうした中でチーム最長のプレー時間を与えられ、開幕戦の14得点を上回る19得点をマークした。「ブラッドの調子が悪かったし、自分が積極的にやろうと思った」。第1Qでは体をくるりと回転させる「スピンムーブ」でレイアップシュートを放り込むなど、前半だけで10得点。開幕戦ではなかったアシストやスチールも記録するなど、コート上を縦横無尽に駆け回った。

開幕戦に続く「ダブルダブル」はならなかったが、十分な存在感を見せつけた。先々が楽しみなルーキーを、指揮官は「コート上での歩き方を見るだけでも、自信に満ちあふれていることが分かる。素晴らしいキャリアを築くだろう」。その将来性に、太鼓判を押した。