首都ワシントンは、ハロウィーンの渋谷に負けない!? 大盛り上がりだった。ウィザーズの八村塁(21)がついに本拠地デビュー。開幕4試合目で初の3点シュートを含む自己最多の23得点。158-159で敗れたが、強豪ロケッツと互角に渡り合った。31日のハロウィーンにちなみ、試合前は全身骸骨の衣装で仮装。そこに同じワシントンを本拠地とする大リーグのナショナルズのユニホームを羽織り、ワールドシリーズ(WS)制覇を後押し。そのかいあって? ナショナルズは球団初のワールドチャンピオンに輝いた。

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八村が全身骸骨の衣装で仮装で会場入りした、待望の本拠地デビュー戦は1点差で敗れた。“ハッピーハロウィーン”前夜祭とはならず、ほろ苦い結末。両チーム合わせて何と317得点。八村が「こんなハイスコアのゲームなんてしたことない」と振り返ったほど。米メディアによると、ウィザーズの158点は、負けチームの得点としては、延長を除いてNBA史上最多タイだという。記録的な一戦で本拠地初登場のルーキーは、仮装しなくてもコート上で存在感を示した。

第2クオーター(Q)残り9分35秒、中央にいたビールからのパスを右サイドで受け3点シュート。ネットが揺れるのを見届けると、手を大きくたたいて喜んだ。開幕戦を含むロード3連戦では計8度投じていたが、1つも入らなかった。NBA公式戦で初めて決めると、第3Qにも2本成功させた。「(これまでも)言っていたようにスリーには自信がある。いつも通り、気持ちいい感じでいった」と手応えを得た。

前半だけで17得点を挙げるなど、エースのビールに次ぐチーム2位の自己最多23得点。「こうしてプレーしてよかった。日本人のファンもたくさん来てくれてうれしい」。ただ、ロケッツは西カンファレンスの強豪でプレーオフ進出の常連。ハーデンとウエストブルックのMVPコンビは破壊力抜群だった。ハーデンは1人で何と59得点。ドリブルで翻弄(ほんろう)されて突破を許し、ウエストブルックにも終了間際に決定的な得点を決められた。「ディフェンスで甘い部分があった。チームも僕も、しっかり直していかなければ」と圧倒され、反省した。

現実はハロウィーンのお菓子ほど、甘くない。終盤はパスも回ってこなかったが「僕はルーキー。(年俸)30億、40億円もらっている人がボールを持たないで、誰が持つのか。気にしていない」。NBA最強ともされるコンビの力を肌で感じられたことは、ルーキーにとって大きな収穫となったはず。前を向いて進む。【奥岡幹浩】