2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は五輪チケット2次抽選販売の発表会見を行い、札幌に移転したマラソンのチケット代払い戻し時期について「数か月かかる」との認識を示した。遅ければ来春になる可能性がある。暑さ対策から時間変更があるトライアスロン、水泳のオープンウオーター、馬術に関しては、払い戻しは発生しないことも明言した。

1次抽選で販売済みのマラソンチケットの払い戻しが、数か月かかる理由について鈴木秀紀マーケティング局次長は「札幌のコースも、観客席が設けられるかもまだ決まっていないのでチケットを販売できるかも分からない。それが決まらないとご案内できないので、数か月かかってしまう」と話した。

大会関係者によると払い戻し時期は遅ければ、店頭販売や転売サイトの運用が始まる来春になる可能性がある。特に女子マラソンのチケットが複雑で陸上6種目、3つの表彰式が見られるもの。その内、女子マラソン分だけを返金するような複雑なシステムが現時点で整備されてないためだ。

組織委には五輪チケット2次抽選や、パラの2次抽選なども控えていることから、システム上、払い戻し作業を公式転売サイトがオープンする来春に合わせたい考えがある。

鈴木氏は今後のマラソンチケットの取り扱いについて「来春、チケットの店頭販売を行うタイミングまでの時期をお考えいただきたい」と話した。

札幌開催の場合、コースは同市中心部にある大通公園を発着とする案が最有力。その場合、大規模な観客席を設置するスペースがないことから、観客席は設けず、チケットも販売しない方向。ただし、女子マラソンのチケット購入者には他種目を見たい希望者も大勢いるとみられることから、マラソン以外の権利は保持させる。

遠方から観戦予定だったチケット購入者の中には既に、ホテル代や交通費が発生している場合がある。この補償について組織委は、大会スポンサーが販売した旅行会社のツアーパッケージについては今後、対応を検討すると説明した。