神戸大が京大を16-7で下して5勝3敗でリーグ3位となり、全日本大学選手権への初切符を得た。

この日のために1年をささげた。主将の中谷建司(4年)は「就活をしないと決めたのが、この1年のアメフトへの(本気度の)現れ」。単位取得が完璧なこともあり、今夏終わりから来春まで休学を決意。練習時間を十分に確保し、その分をアメフトへの部活動にあてた。

高校まではサッカー一筋。「レシーバーがかっこよくて」と学内でも人気の同部に入部を決めた。今では「このスポーツを取ったら僕の持ち味は何なのかというくらいの存在」というくらいアメフト命だ。

この日はサッカーのサイドハードのポジションで鍛えた判断力を生かし、第2クオーター(Q)に相手陣27ヤード付近から、先制のFGを成功。第3、4QでもFGを決めこの試合3度のFG。10得点した第4Qでは、RB森分優人(2年)のTDランに続いてPATを決め、勝利に大きく貢献した。

神戸大・レイバンズは8割が大学までは未経験者。組織も学生主体で同じく大学まで未経験者だった選手同士が互いの境遇を理解し、知識を与え合ってきた。

主将を務める中谷は、理想の主将像を「全てのことを完璧にこなせる人」と定め、練習では率先して先頭に立った。時には下級生に厳しい言葉をかけ、部員の模範となるべく行動した。皆が頼ってしまうからと副将はあえて置かない。

その分「4年生全員が主将の役割をしてくれるくらい、考えて行動できるようになった」と、これまでの歩みを振り返る。「有名私大を国立が倒すところを見せたい」。甲子園ボウル出場をかけ、関西3位校として、西日本代表校戦(17日、名古屋市港サッカー場)に乗り込む。下克上を目指す。【望月千草】