20年東京オリンピック(五輪)のテスト大会を兼ねた卓球のワールドカップ(W杯)団体戦最終日は10日、東京体育感で男女決勝を行い、女子は日本が最強中国に0-3で敗れ、初優勝を逃した。

2番手の伊藤美誠(19=スターツ)が同世代のライバル孫穎莎(19)に一時2-0とリードしたが逆転負け。3番手の平野美宇(19=日本生命)も劉詩■に0-3で敗れた。中国は9連覇。男子も決勝で中国が韓国を3-1で下し優勝した。

   ◇   ◇   ◇

4900人の観衆が勝利を確信した伊藤の最終ゲーム、10-7の場面。ここから中国の孫に5連続得点を許し、大逆転負け。「相手はしのいでるだけだったのに、勝ちきる力が足りなかった」と唇をかんだ。

五輪本番と同会場。伊藤にとって日本での団体戦は初だった。「応援に感動したけど、慣れない雰囲気だったので五輪に向けて経験できて良かった」。静寂が包むサーブの瞬間、頭の回転が思うようにいかなかったという。「試合が終わるとバーっといろいろな考えが浮かぶ。これを試合中にやらないと。特にサーブ前。頭の解放感を出していきたい」とアイデアに窮した自身の思考を悔やんだ。

中国との差は縮まっていると認識する伊藤。五輪まで残り8カ月だが「実力がついていると実感している。短いとは感じていない」と言う。主将の石川は「技術の前に心。五輪ではさらなる重圧がかかる」と五輪本番を想定した。馬場監督は「中国もさらに強化してきた印象」。それぞれが、女王から感じた点は違う。反省材料をいかにチームで共有し、糧にするかでメダルの色が金になるかどうかが、決まる。【三須一紀】

※■は雨カンムリに文の旧字体