20年東京オリンピック(五輪)水泳会場「東京アクアティクスセンター」の内部が21日、報道陣に初めて公開された。

整備費567億円(19年1月時点)をかけた同センターは地下1階、地上4階建て。プールはメイン、サブともに50メートルで10レーンがとれて、深さは最大3メートル。飛び込み台は1メートル、3メートル、5メートル、7・5メートル、10メートルの5種類が設置されている。収容人員は1万5000席(五輪開催時)で、天井から大型ビジョン2台を設置している。「日本水泳の中心となる世界最高水準の水泳場」をレガシーに掲げている。現時点で工事進捗(しんちょく)率90%。観客席は6割が取りつけ済みで、来年2月末に完成予定だ。

同センターは長水路の50メートルプールと短水路の25メートルプールの両面で利用が可能。50メートルプールは一方が可動式の壁となっており、壁が中央に移動することで25メートルプールを2面とることもできる。プールの底も可動式の床で、五輪開催時は最も深い3メートルで使用されるが、ジュニア選手の大会などでは浅くすることもできる。

こけら落としは来春。短水路の25メートルプールとしてはジュニアオリンピック杯春季大会(3月26~29日)になる。そして長水路の50メートルプールとしては、東京五輪代表選考を兼ねた「一発勝負」の日本選手権(4月1~8日)になる。

五輪後は観客席を約5000席に削減する。東京都は、年間100大会(国際、国内、ジュニア大会など)の開催、年間来場者100万人(競技利用約85万人、一般利用約15万人)を掲げている。都民のための水泳場という機能も併せ持つために、東京都が年間5・4億円を出して、運営費を補填(ほてん)する計算となっている。年間5・4億は、同センターから徒歩約5分にある東京辰巳国際水泳場の運営費の穴埋め額と同程度だという。

なお東京辰巳国際水泳場は今後、スケート場として生まれ変わる予定で、東京都関係者は「辰巳はアイスリンクになるので、アクアティスセンターとは違う役割になります」と説明していた。