今夏世界選手権韓国大会代表の吉田啓祐(19=日大)が、2度の手術を乗り越えて復帰レースに臨んだ。

9月の日本学生選手権(インカレ)以来となったレースで1分50秒90の8位。自己ベストから約3秒以上遅れたが「まずまずだった、と思います」とほっとした表情を見せた。

アクシデントに見舞われたのはインカレ前だった。8月19日に電車に乗ろうと走って、駅のホームでつまずいて左足親指第2関節を骨折。全治3週間の診断だったが「これで優勝したら格好いいかな。目立ちたくて」と、初のインカレに強行出場。日大男子12年ぶりの優勝に貢献した。

ただインカレ後は苦労続きだった。腫れやすいへんとうを切除する手術と左足の手術を立て続けに行った。トータル17日間の入院生活。体重は7キロも落ちて68キロまでになった。退院後も雑菌が入ることを防ぐためにプールに入れず。「5週間ぐらいは一切運動をしなかった。めちゃくちゃ焦った」。それでも指導を受ける三木コーチから「焦らなくていいから」と諭されて、10月中旬から練習を再開。2カ月半ぶりのレースだった。

もともと19歳で代表入りした逸材。800メートルリレーのメンバーとしての期待もある。吉田は復帰を終えて「このまま死んでいくのかなと思いました…」と苦笑いしていた。