ショートプログラム(SP)2位のケビン・エイモズ(22=フランス)が合計250・02点の2位、同4位のロマン・スドロフスキー(20=カナダ)が247・50点で3位となり、上位3人の記者会見に出席した。優勝した羽生結弦(24=ANA)を挟む形となり、王者を素直な心境でたたえた。

GPファイナル出場を決めたエイモズは、興奮気味に思いを紡いだ。

「本当に信じられない気持ちです。私にとって(羽生)は一世代のチャンピオン。2012年のフランス世界選手権(ニース)を見に行っている。その時の羽生選手の演技は、すごく覚えている。スケートの仲間になれたことが、とにかくありがたい。羽生選手のように、いつかリンクの上に立っただけで、全ての人に力を与えられる存在になりたい」

羽生の練習を間近で見てきたスドロフスキーも、ジョークで笑わせながら本音を明かした。

「個人的にユヅルはスケートの神様だと思っています。ユヅルがいたおかげで、このスポーツにとっても大変良かった。4回転をたくさん入れながら、質が落ちていない。お客さんとのつながりをもっているし、ジャンプとプログラム全体をうまくつないでいる。一緒に(競技を)やれるのはすごいことで、彼を尊敬しています。良くも悪くも彼は、まだスケート界にいると思う(笑い)。こうやって隣にいられるのが、今日で最後になりませんように」

羽生は「いつも違うメンバーが、こうやって隣に立ってくれていることで、フィギュアスケートが変わってきている」と発展を実感する。札幌の夜、フレッシュなメンバーが、新たな歴史の1ページをめくった。