女子78キロ超級で世界女王の素根輝(そね・あきら、19=環太平洋大)が20年東京オリンピック(五輪)代表に決まった。柔道日本勢では、男女を通じて第1号となった。決勝で12年ロンドン五輪金メダルのイダリス・オルティス(キューバ)に延長の末、大内刈りで技ありを奪って初優勝した。

素根の強さの秘訣(ひけつ)は、「警戒心の強さ」なのかもしれない。代表合宿や遠征などで海外を訪れる際に、食べたことがないものは決して口にしない。魚介類やフルーツなどの生もの以外も、仲の良い52キロ級世界女王の阿部詩や兄の勝さんに必ず試食してもらってから口にする。最重量級の世界女王でありながら、「びっくりするぐらい臆病な性格」と打ち明ける。その対策として、海外遠征では大好物の駄菓子が必需品となっている。特に、パンダのデザインが特徴的な一口サラミ「おやつカルパス」が大好きで、機内や宿舎などでサクッと「いつもの味」を食べると安心するという。

柔道でも共通する部分があり、警戒心が強いため「ライバルはもっと稽古しているかも」と考え、稽古を重ねる。試合翌日でも完全オフはなく、365日トレーニングに励む。猛稽古は当たり前-。それが素根の強さにつながっている。