8班に分かれた女子個人予選の1班を終えて、森ひかる(金沢学院大ク)が105・065点で首位に立った。

「緊張しました。ドクドクより足が緊張して、ジャンプからフワフワしている感じ。『落ち着け、落ち着け』と思って入りました」。決勝の最上位者1人が五輪代表に内定する大会。会場は本番と同じで、「こけら落とし」の舞台。足は震えはしないが、力が入らない感覚に襲われたという。

慎重に踏み出した第1自由演技を49・400点でまとめ、第2自由演技では縦方向に3回宙返りする大技「トリフィス」を2回決め、55・665点を稼いだ。東京都足立区の出身で、知人が多く訪れたスタンドに笑顔で手を振った。

入場時にはアナウンスに合わせて女子4人でレオタードのモチーフになっている歌舞伎の見えを切るポーズを披露。「今日の朝、寝坊しちゃって」と恥ずかしそうに笑うなど、心の緊張はなさそう。12月1日の決勝で地元開催の五輪切符をつかむ。

日本勢は他に土井畑知里(三菱電機)が103・970点で2位、佐竹玲奈(アポロメディカル)が103・380点で3位。宇山芽紅(スポーツクラブ テン・フォーティー)は103・350点の4位で日本人4番手となり、1カ国最大3人までが進む準決勝進出を逃した。