ホンダは2021年もF1活動を継続することを決定し、レッドブルとトロロッソがパワーユニット供給契約を延長したと発表した。

折しもブラジルGPで28年ぶりの1-2フィニッシュを果たした直後の出来事だったが、これは来年1月1日までにFIA(国際自動車連盟)に対して2021年の参戦申請を行なわなければならないため、当初からシーズン末までの決定を目指していたもの。

ホンダのF1活動を統括する山本雅史マネージングディレクターは次のように説明した。

「ブラジルGPの後に(レッドブルのヘルムート・)マルコさんに日本に来てもらい、青山でミーティングを持ってお互いに合意したのが、その結果が今回の発表の中身です。お互いに常にディスカッションをしてきたわけですが、それに対してお互いが合意したということです」

ホンダのF1活動を巡っては、本社の経営状況悪化を受けて撤退も囁かれていた。しかし2021年以降の参戦コストが低減される見通しであることや、成績の向上によって参戦継続という結論に至ったと山本マネージングディレクターは説明する。

「ホンダのボードメンバー(役員会)の中では経営会議の内外で継続的に話し合いはされてきましたが、2021年のレギュレーションが決まって、パワーユニットの規定が大きく変わらないということや、色んな箇所が封印されたりベンチテストの規制などで開発コストが抑えられるというのもひとつ」

「そして今季3勝を挙げて、『本当に定常的に勝てるようになるのか?』という声に対する見方が変わってきたのも大きかった。ブラジルの1-2で社長・副社長にも直接『ブラジルGPは良かったね』と言ってもらいましたし、ホンダのF1が強くなってきているというのが彼らの意識の中にも認識してもらっているというのは実感しました。勝つことの大切さは改めて実感しました。ただ、だからといって今回の1-2で急に決まったわけではなくて、積み重ねてきたものです」

今回の2021年参戦継続は、来年1月1日の申請期限に合わせて2021年についてのみレッドブルと合意したもの。すでに2022年以降についても話し合いは進んでいるという。

「契約ごとというのはすごくシビアで色んな項目にわたって話をしますから、(今回発表したのは)2021年の契約に対しての中身にはお互いが合意をしたということで、2022年以降についても議論はしています」(米家峰起通信員)