関学大が4年連続53度目の甲子園ボウル(15日)出場を決めた。第1クオーター(Q)に2TDを奪い、早々と主導権を握ったのが勝因だが、守備陣の踏ん張りはそれ以上だった。

主将のDL寺岡芳樹(4年)は「僕たちは1度、立命大に負けて失うものは何もなかった。腹をくくって、持っているものをすべてぶつけるつもりだった」と声を張り上げた。

特に劣勢に立たされた第4Q。残り約6分でDB松本紘輔(4年)がパスインターセプトに成功。「流れが立命大に傾いていた時だったので、大きかったと思う」と松本。試合を通してもLB海崎悠(3年)やLB板敷勁至(4年)らの守備も光った。

今季限りでの勇退を表明していた鳥内秀晃監督(61)は、勝っても選手への第一声は「うぬぼれるな、調子に乗るな」だった。「1回、立命大に負けているのに、それでもなんで、みんな試合を見に来てくれるねん。それは1プレー、1プレー、これが関学大というものを見たいからやろ」と喜びを見せなかった。

11月10日の関西学生リーグの最終戦で立命大に敗れ、関学大は関西2位扱いで西南学院大、神戸大とのトーナメントに回った。3週間で3試合をこなした強行日程に「毎週やってきて、必死でした」と鳥内監督。2年前も同様の過程で立命大にリベンジして甲子園ボウルへ出場した。その際は日大に敗れており、今回は正真正銘、下克上学生日本一を目指す。