2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は5日、札幌に移転した五輪マラソンのチケットを払い戻すと公式サイトで発表した。組織委は前日、会場の大通公園に観客席が設置できないとの理由から、札幌でのマラソンチケットは販売しないと表明していた。

8月9日に予定されていた男子マラソン分は、全額払い戻すとした。一方、新国立競技場で実施する陸上他5種目などとセットだった、女子マラソンのチケットは、同種目を除いて価格を見直す。その上で5種目を見たいという希望者には観戦できるよう検討を進めるとした。希望しない人は全額返金する。ともに返金方法と時期は明示されなかった。

1次抽選で販売した女子マラソンチケットは陸上6種目、3つの表彰式が見られるもの。その内、女子マラソン分だけを返金することは困難。そのため組織委は適切な返金方法を検討中。その1つとして、現在のチケット購入者の内、5種目の観戦を希望する人にまず、新チケットを購入してもらう。返金方法が構築でき次第、旧チケット代金を全額、返金する案だ。

組織委のチケット販売システムに現時点で返金機能はない。来春開設する公式転売サイトにはその機能が付設される予定で、組織委はそのタイミングにまとめて返金作業を行いたい考えがある。一方で、いち早く返金を求める声もあり、メールなどのアナログな方法での返金方法も検討案には含まれている。

男子マラソンは1種目チケットのため、女子ほど複雑ではないが返金時期は同時期になる見込み。組織委は年内にも、返金時期と方法について発表できるよう調整している。