08年北京五輪、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得したフェンシング日本協会の太田雄貴会長(34)が6日、国際オリンピック委員会(IOC)から東京五輪で実施される選手委員選挙の立候補者30人に選出されたことを受け、都内で会見を行った。

選手委員は五輪参加選手の投票で選ばれ、候補者30人の中で枠は4と狭き門。「光栄と同時に重責。緊張感でいっぱい。厳しいと思っているからチャレンジする。地元開催で有利のように見えるが、そうでもない。自分ができることをベストを尽くしてやっていきたい」と決意を述べた。

太田会長は13年の東京五輪招致に携わり、16年リオ五輪後に引退した後は、協会の運営に携わり、日本協会の会長を務めながら、国際フェンシング連盟の副会長も兼務している。地元開催の五輪を成功させるため現在もさまざまな活動を行っている。「オピニオンリーダーになるためにも、日本の技術などをもっと発進していくことが、今後の外交としても重要になっていく」と世界に向けてアピールをしていくつもりだ。

さらに今後のスポーツのあり方について「アスリートファーストとは勝利至上主義でなく満員の会場でプレーすること。そうすることで経済も回っていく」と持論を展開。現在はスケートボードやブレークダンスなどの都市型スポーツを支援する活動も行っており「成長性をもたらすスポーツの中でeスポーツなども含め新しいものが注目され、昔とは見る形も変わってきている。新しいモデルを作っていきたい」と東京五輪以降のスポーツ界についても考える。

太田会長は今後も五輪本番まで休むことなく世界を奔走する。「日本に東京五輪を招致してから、自分の戦場をグローバルにしてきた。やっとスタートラインに立てた」。アスリートファーストでの東京五輪を実現するため、大きな1歩を踏み出した。