【トリノ(イタリア)=佐々木隆史】女子SPで昨季覇者で、2連覇を狙う紀平梨花(17=関大KFSC)が4番目で演技し、70・71点で6位発進した。

冒頭のトリプルアクセルは着氷後に体重が右足の外側にかかり乱れた。2本目のジャンプをコンビネーションにしたが、後半のジャンプ後に転倒した。

首位は同85.45点のアリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)。2位にアリーナ・ザキトワ(17=ロシア)が79.60点で続き、3位に15歳のアンナ・シェルバコワ(ロシア)が入った。4位はブレイディ・テネル(21=米国)、5位はアレクサンドラ・トゥルソワ(15=ロシア)となった。

今季GPは2位が2度。10月のスケートカナダではトルソワに、11月のNHK杯ではコストルナヤに屈した。この2人にシェルバコワを加えた「ロシア3人娘」は絶好調で、3人が2勝ずつし、GP全6戦を完全制覇。高難度のジャンプを軽々と跳び、成功させる難敵はトリノ入りしてからも好調で2連覇への大きな大きなライバルとして、紀平の前に立ちはだかる。

5日、会場で公式練習した紀平も、昨季から練習で取り組み、国際スケート連盟(ISU)公認の試合ではまだ成功がない4回転サルコーを3本着氷するなど、調子は上々。「今までで一番きれいに跳べた」と笑顔を見せていた。これが、勝負の7日(日本時間8日)のフリーでの武器となる可能性がある。

一方で、ロシア勢の力はひしひしと感じている。5日にはトルソワが、曲かけ練習で4種類の4回転ジャンプを着氷させた。これには紀平も「跳びすぎて笑えてくる」と苦笑いするしかなかった。

それでも、負けてはいられない。「みんなが成長していくのに、ついていかないといけない。ミスをしたら終わりの状態」。日本のエースは気を引き締め、SPに臨んでいた。