シニア1年目でGP2連勝を果たした注目のロシア3人娘で、アリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)が頭1つ抜け出した。軽やかに決めた冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は2・97点の加点を導き、3つのスピンとステップは最高のレベル4と、非の打ちどころのない演技を披露。自身のSP世界歴代最高を0・41点塗り替えた。

初出場での優勝に大きく前進した。昨季はジュニアGPファイナルで頂点に立ち、1年間の目覚ましい成長を見せつけた。2位のオリンピック(五輪)女王ザギトワに5・85点差をつけ「全て予定通りにできてうれしい。氷に立つ時に数字(点数)のことは考えない。楽しむことができた」と笑みを浮かべた。

試合を重ねるごとに完成度に磨きがかかる。華麗なスピンや滑りのしなやかさ、醸し出す優雅さは16歳とは思えぬレベル。日本のファンからSNSにおいて「美」と絶賛される表現力で、10点満点の演技構成点は5項目中4項目で9点台を記録。6人中2位の35・97点は、ザギトワの36・46点に肉薄する高評価を得た。

3回転半を2本組み込むフリーでは、ロシア3人娘のシェルバコワやトルソワも、4回転をフル稼働させて逆転を狙ってくる。ファイナルに出場した6人のうち、ザギトワを含めた4人が同じトゥトベリゼ・コーチに師事。一足早く行われたジュニアGPファイナル女子も、同門の13歳ワリエワが制した。先輩、同期、後輩とチーム内の競争は激しくなるが、コストルナヤは「毎日一緒に練習しているので(トリノでも)ホームの雰囲気」と気負いなくフリーの大一番へ向かう。