レバンガ北海道がホームでは約1カ月ぶりの白星を挙げた。

7日に今季初白星を献上した三遠に78-53と今季最大点差で快勝。今季初スタメンのルーキー中野司(23)が、先輩の助言を受けて、自己最多16得点を挙げる活躍で勝利に貢献した。11日敵地千葉戦を前に、チームは再び勝率を5割に戻した。

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今節の三遠戦で初開催となった北ガスアリーナ46で、初めてのヒーローインタビュー。カミングスに抱きかかえられてファンの前に登場したのは中野だ。気恥ずかしそうに口を開いた。「素直にうれしい。自分の仕事をやるように頑張った」。キャリア2年、29試合目で初のMVP。前日はシーズン未勝利だった相手にまさかの黒星を喫したが、嫌な雰囲気を吹き飛ばす快勝劇の原動力になった。

22点リードの第4クオーター(Q)。前半すでに10得点の中野は、開始30秒、さらに1分41秒に立て続けに3点シュートを沈めた。「試合前に(桜井)良太さんに『積極的にシュートを打っていけ』とアドバイスされた」。キャリアハイの16得点で助言を体現した。

関学大在学中に特別指定選手として加入した昨季は、19試合で1試合平均2・5得点。プロとなった今季は10月27日大阪戦で初の2ケタ得点を記録したが、同試合で左足首を痛め、5試合を欠場した。復帰へ向けて気持ちは焦ったが、ベテランのひと言で冷静になれた。試合中、ベンチで隣に座る折茂。「落ち着いていけ」。現役27季目のレジェンドの言葉が胸に響き、回復を待った。

11月中旬に復帰すると、先週末の千葉との全日本選手権戦で12得点。左足首捻挫の多嶋に替わり、スタメンが巡ってきた。内海知秀監督(61)は「期待に応えるプレーをしてくれました」と評価した。MVPの賞金は10万円。試合後の控室では「みんなにおごれと言われた」というが、この日観戦に訪れた母との食事代にあてると言って、ニコリと笑った。

試合内容を見れば今節は2連勝しなければいけない相手に星を落としたも事実。中野は「慢心することなくやっていきたい」。激戦東地区で勝ち上がっていくためには、若手の活躍が欠かせない。【浅水友輝】