ロシアのニジニタギル(ヒルサイズ=HS134メートル)で7日に行われた、ノルディックスキー・ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子個人第3戦で、佐藤幸椰(24=雪印メグミルク)が251・6点でW杯初優勝を飾った。日本勢男子としては15人目のW杯優勝者となった。

<原田雅彦監督の目>

予感はあった。佐藤は夏場、好成績を残してシーズンに入った。所属先雪印メグミルクの監督で本紙評論家の原田雅彦監督(51)は「夏の自信が冬につながっている」と見る。昨季のW杯ではトップ10に3度入った。「段階が上がってきて定着している。どんな状況でも必ずトップ10に顔を出して、優勝のチャンスを待ち1勝して欲しい」。開幕前に期待していたことが第3戦でいきなり実現した。

同監督は佐藤の良さに向上心を挙げる。「非常にストイックな選手なんですよ」。14年の入社以来、地道に実力をつけてきた。国内大会で結果を残しても「まだまだ自分には何が足りないかずっと考える選手」。夏のグランプリ(GP)は総合2位でも、佐藤は「海外のトップ10の選手と力の差を感じている」と油断することはなかった。

これで日本人男子では15人目のW杯優勝となった。95年生まれの佐藤、96年生まれの小林陵、中村直幹(23=東海大北海道ク)と近い世代が代表メンバーにズラリとそろう。「ゴルフの黄金世代、プラチナ世代みたいに刺激し合って活躍して欲しい」と原田監督。22年北京オリンピック(五輪)まであと2年2カ月。若手の活躍が期待される。