全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(62)が9日夜、都内で行われたアスリートによる社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD」に出席し、柔道男子代表の井上康生監督(41)に感謝の言葉を伝えた。

山下氏が理事長を務め、国際貢献活動を続けてきたNPO法人「柔道教育ソリダリティー」が特別賞を受賞した。今年6月に解散したが、現在は井上監督が設立したNPO法人「JUDOs」が活動の一部を引き継いでいる。

タキシード姿でステージに登壇した山下氏は「教え子の井上監督が解散を知り、昨年末に私のところへ来て『NPOを立ち上げたい』と言ってくれてた。涙が出るほどうれしかった。本当にありがとう。スポーツには力がある。みんなで力を合わせて何が出来るかを考え、より良い社会づくりに貢献したい」とあいさつした。

06年から柔道を通じた国際友好プロジェクトを進め、これまで70以上の国や地域に向けて、柔道着約1万着、畳約2000枚を寄贈した。海外の指導者を受け入れて、指導方法を学んでもらうコーチングセミナーなども実施した。

山下氏は全柔連や国際柔道連盟(IJF)理事の業務、さらに日本オリンピック委員会(JOC)会長としての役割が多忙を極め、解散を決めた。柔道着や畳の寄贈などの活動は全柔連が引き継ぎ、井上監督が4月に設立した「JUDOs」が、一部の活動を継承するとともに新たな国際貢献活動を展開している。