男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が、15年以来4年ぶりの優勝に王手をかけた。同19位の王子維(台湾)に2-0で勝利し、2年連続で決勝に進出。

15日の決勝は同8位のギンティン(インドネシア)と対戦する。男子ダブルス遠藤、渡辺組はインドネシアのペアに、女子ダブルスの永原、松本組は福島、広田組を破ってそれぞれ決勝に進出した。女子シングルスの奥原、山口と混合ダブルス渡辺、東野組は敗れた。

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桃田らしい試合だった。今季2戦2勝、1次リーグでもストレートで勝利した相手に慎重に入った。最近の試合では序盤は「相手の出方を見る」ために落ち着いた入りをすることが多く、この試合もコート奥から強打を打ち込む王に対し、前に落とすドロップショットやネット際のヘアピンなどで相手に少しずつダメージを与えていった。

中盤1度逆転を許し、チャレンジ失敗など苦戦したが、終盤引き離し、4点差で第1ゲームを奪うと第2ゲームは、一気にギアを上げ、完全に桃田ペース。それまで緩く返していた球への対応を変え、疲れが見えた相手に積極的にスマッシュを打ち込み、早めに勝負を仕掛け、突き放した。

今季ワールドツアー10勝、勝率も9割以上と圧倒的強さで世界1位に君臨し続けてきた。今大会で五輪出場条件を満たし、代表入りを確実にしたが「そこが目標ではない。見ている人を勇気づけられる試合をして、その積み重ねの中に五輪があればいい」と話す。

17年5月に復帰後、世界選手権をはじめ、大きなタイトルはほとんど取ってきた。15年以来4年ぶりのファイナル制覇まであと1勝。今の桃田に死角は見当たらない。