男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が同19位の王子維(台湾)に21-17、21-12のストレートで勝利し、昨年に続いて決勝に進出、15年以来4年ぶりの優勝に王手をかけた。また、女子シングルスの奥原希望、山口茜、混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗組はそれぞれストレートで敗れ決勝進出はならなかった。

今季2戦2勝、予選リーグでもストレートで勝利した相手だが、10月のフランスオープンでは第1ゲームを奪われた後からの逆転勝ちだった。最近の試合では序盤は「相手の出方を見る」ために落ち着いた入りをすることが多く、この試合も格下の王相手に序盤から積極的に仕掛けることはしなかった。奥から強打を打ち込む王に対し、桃田は前に落とすドロップショットやネット際のヘアピンなどで相手にダメージを与えていった。中盤、1度逆転を許し、チャレンジにも嫌われるなど苦戦したが、終盤少しずつ引き離し、21-17で奪った。

第2ゲームは完全に桃田のペース。第1ゲームで緩く返していた球への対応を変え、ギアを上げ、積極的にスマッシュを打ち込み、早めに決めにいった。今季ずっと取り組んできたスピード強化の成果を見せ、序盤からリードを広げ、21-12で奪い、ストレートで決勝進出を決めた。

今季ワールドツアー10勝、勝率も9割以上と他を寄せ付けない圧倒的強さで世界1位に君臨し続けた。今大会出場で東京五輪選考レースでの16位以内と、日本勢1番手を確定的にし、五輪出場を確実にした。17年5月に復帰してから、世界選手権をはじめ、大きなタイトルはほとんど取ってきた。15年以来4年ぶりのファイナル制覇まであと1勝。進化し続ける桃田に死角は見当たらない。