金メダルトリオが復活した。女子団体追い抜きは日本チームが2分56秒37で今季W杯初優勝を飾った。

平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)で金メダルを獲得した高木菜那(27=日本電産サンキョー)美帆(25=日体大助手)佐藤綾乃(22=ANA)の3人が今季初めて組み、リンク新記録をマークし貫禄を見せた。自国開催のW杯を、道産子3人娘が快走で締めくくった。

   ◇   ◇   ◇

やっぱり速かった。平昌五輪金メンバーの3人が今季初めて臨んだ一戦。息が合った滑りで、グングンと飛ばす。4周目のコーナーでは、半周分異なってスタートする同走ベルギーチームを鮮やかに抜き去った。2分56秒37のリンク新記録。優勝が決まると、笑顔でハイタッチを交わした。長野のファンに金メダルの滑りを披露し、高木菜は「たくさんの方に喜んでもらえて、今日は金メダルを取ることができて良かった」と喜びを口にした。

作戦を変更して挑んだ。高木美の負担を減らすため、高木菜が先頭走者を従来の1・5周から2周に増やして走った。高木菜の調子の良さを見抜き、今後も見据えたコーチ陣の戦略もはまった。「バリエーションが増えると思う」と高木美。結果だけではなく、内容も伴った勝利となった。

優勝に最も喜んだのは佐藤だった。シーズン初めに左太もも痛などで不調に陥った。日本チームは3人がそろうことはできず、高木姉妹と若手で臨んだ初戦のトマチョフ大会(ポーランド)で8位。W杯連勝記録が10で途絶えた。「リンクにも行きたくなかった」という時期もあった佐藤は、練習量を落として調整。12月に入りようやく本来の自分を取り戻してた。高木菜は「不安はあったと思うけど、調子を戻してくる」と焦らずに信じて待った。

2位カナダに1秒44差をつける圧巻の勝利だった。それでも高木美は「参加していない国がいたり、カナダもタイムを伸ばしている。世界距離別選手権、五輪に向けて実力を上げていかないと」と気を引き締めた。日本は若手の台頭も今後の課題だが、道産子3人娘はお家芸の定位置を譲るつもりはない。【西塚祐司】

○…女子団体追い抜きで日本が定位置を取り戻した。佐藤が不調だったことからメンバーが入れ替わり、今季W杯は2戦してともに8位。平昌五輪金メダルの3人が今季初めてそろった今回は、息のそろった滑走で同走のベルギーチームを抜き去り貫禄を見せた。自国開催でようやく今季初勝利を挙げた高木美は「次につながるレースだった」と笑顔を見せていた。