全日本ジュニア王者の鍵山優真(16=神奈川・星槎国際高横浜)が、SPで失敗した鬼門のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本決め、フリーで羽生結弦を上回る2位の180・58点をたたき出す圧巻の演技。合計257・99点で、SP7位から3位になった。過去3連覇したコーチで父の正和さんに続く表彰台で、宇野、羽生の五輪メダリストと並んだ。17歳で初めて3位に入った羽生を上回る表彰台でもあった。

躍動感たっぷりだった。コンビネーションジャンプを含めて4回転トーループを2本決めると、その先は苦手のトリプルアクセルを2本入れる攻めの構成に挑んだ。「アクセルに苦手意識があったが、やらないと克服できない。そう思い、あえて2本入れた」。16歳は満足そうだった。

11月の全日本ジュニア選手権で同学年のライバルである佐藤駿を破って初優勝を飾った。しかし、その後のジュニア・グランプリファイナルでは、合計255・11点のジュニアの歴代最高点を出した佐藤に王座を譲った。こうして迎えた全日本選手権。「シニアでも戦えると実感できた」と手応え十分だ。

父の正和コーチはアルベールビル五輪、リレハンメル五輪代表。滑らかなスケーティング、ひざの柔らかさは父譲りだ。技術も表現力もあるホープが躍り出た。