ショートプログラム(SP)首位発進の羽生結弦(25=ANA)が、フリーで172・05点を記録して、合計282・77点で2位となり、4年ぶり5度目の優勝を逃した。

日本人に負けるのは5年ぶり。年下の宇野昌磨(22=トヨタ自動車)との直接対決に敗れるのも初となった。

「弱いです。弱っちいです。体と心のイメージが乖離(かいり)した」。

国際スケート連盟(ISU)未公認ながら“世界歴代最高”をマークしたSPの勢いに乗りたかったが、冒頭の4回転ループで着氷が乱れた。続く4回転サルコーはクリーンに着氷したが、3回転ルッツが跳んだ瞬間に回転がほどけるミス。4回転トーループも着氷で乱れ、最後に予定していたトリプルアクセル(3回転半)とダブル(2回転半)の連続ジャンプは、得意の3回転半で転倒した。

フィニッシュポーズ後は、苦笑いを浮かべた。得点を待つ「キス・アンド・クライ」でも、演技映像で自分のミスしたジャンプを見る度に、両手で目を隠すなどしておどけるなど、必死でショックを抑えた。

◆羽生が日本人選手に敗れた大会 14年ソチ五輪金メダル獲得後は1回しかなかった。同年11月のGP中国杯フリー直前の6分間練習で、中国の閻涵と激突し、体を強く打って顔から出血。包帯姿で滑りきって2位となったが、演技後にあごを7針縫い、側頭部は医療用ホチキスで傷口を3カ所留めた。全治2~3週間と診断されたが、約3週間後のGPNHK杯開催直前に出場を決意。1位村上大介、3位無良崇人に続き、日本人3番目の全体4位で大会を終えた。