フィギュアスケート男子で10年バンクーバー五輪代表の織田信成氏(32)が、陰口などのモラルハラスメントを受けて関大アイススケート部の監督辞任に追い込まれたとして、同部の浜田美栄コーチ(60)に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、大阪地裁(末永雅之裁判長)で開かれた。

弁論には織田氏も浜田コーチも出廷せず。同コーチ側は「モラハラはしていない」として請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

織田氏は11月18日、大阪市内で行われた記者会見で「フィギュアスケート界の悪弊へ一石を投じる思い」と話し、17年4月の監督就任前からハラスメント行為を受けたと主張。無視や露骨に嫌がるそぶりは監督就任後も続き「30歳近くも歳が離れていて、僕から何かを言うのは難しい環境だった」とし、提訴を決断していた。

関大は今月10日、学内で7月に行った関係者へのヒアリング調査の結果を発表。織田氏側は訴状で17年2月ごろに浜田コーチのレッスンが危険であり、ルールを破っているから、やめて欲しい旨を提言したところ「あんたの考えは間違っている」などと反論されたところから、不法行為が始まったと主張した。

だが、関大の他のコーチ陣への調査の結果では「当該事案は浜田コーチではなく、他のコーチの下で起こったこと」と記されるなど、見解が食い違っている。