eスポーツの高校日本一を決める全国高校eスポーツ選手権決勝大会(28、29日、東京・EBiS303)に、釧路高専「Vtuberすこすこ隊ver2」が参戦する。225チームがエントリーした8月のオンライン予選大会を突破し、4チームで争う「ロケットリーグ部門」決勝大会に、道勢として初めて進出。日々の勉強の合間を縫って連係を磨く4人の精鋭が、王座を狙う。

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eスポーツにかける情熱を、全国舞台で爆発させる。釧路高専「VTuberすこすこ隊ver2」リーダーの石黒航汰(2年)は「全国大会で好成績を出して、自分たちの活動をみんなに知ってもらいたい」と意気込んだ。昨年は予選大会準々決勝で鶴崎工(大分)「雷切(らいきり)」に敗れた。今回の決勝大会では初戦の準決勝で再戦する。「まずは昨年の雪辱を果たしたい。その先の決勝も勝ちたい」と前を向いた。

昨年、石黒と大和幹(2年)を中心に「ゲーム開発研究会」を立ち上げ、12月の第1回大会に「VTuberすこすこ隊」として、参戦した。メンバーの岩田理希(2年)は、敗れた準々決勝で、パソコンの調子がおかしくなった。今夏の予選大会は修復が間に合わず、参戦できなかった。決勝大会は別のゲーム機を用いてメンバー復帰。「負けてパソコンも壊れた悔しさは忘れない。決勝からチームに貢献できたら」と気持ちを高ぶらせた。

トレーニングは原則、各自が高校から帰宅後、それぞれが回線をつなぎゲームに臨む。連係を高めるには、それなりの時間を費やす必要があるが、高校生として勉強が最優先。試験で赤点を取れば活動には参加できない。大和は「部活や課外活動などでみんなの帰宅時間が違うので、仲間の参加を知らせる音が鳴るまでは、集中して勉強するようにしている」と言う。

8月の予選大会から新メンバーとして加わった泉沢春樹(2年)は「まだ初心者だが、みんなの足を引っ張らないよう頑張りたい」と気を引き締める。「ロケットリーグ」は特種な乗り物を用いた3対3のサッカーゲーム。4人で地道に培ってきた絆を武器に、全国の猛者たちに立ち向かう。【永野高輔】