一戸誠太郎(23=ANA、美幌町出身)がオールラウンド部門男子で初の総合優勝に輝いた。

26日の前半をトップで折り返し、迎えた後半2種目。1500メートルを1分46秒67、最終種目の1万メートルを13分27秒45で、ともに1位。総合151・590点の日本新記録で制した。「令和元年最初の優勝で、気持ち新たに臨んだ大会だった。自分が設定した総合優勝というゴールを達成できてうれしい」と喜んだ。

短~長距離の4種目で争うオールラウンドに志願のエントリーだった。トップ選手の多くは、専門の距離に専念するためシニア派遣選手選考部門に出場。一戸にも一部コーチからオールラウンド部門への出場回避を薦める声があった。それでも「歴代優勝者を見ると国内外で一線級で戦っている選手。タイトルを取っていないことが自分のなかで引っかかっていた」。国内初制覇で自信を持って世界へ挑むのが狙いだった。

苦手という1万メートルは自己ベストを2秒以上更新した。「この先、長距離選手として戦っていく上でとても大きな経験になった」と表情はすがすがしい。現在の課題に挙げたのは日本記録を持つ5000メートルの後半の粘り。「そこが一番自信を持っていたところなので、戻ってくれば世界オールラウンド選手権優勝も見えてくる」。今度は世界一を狙いにいく。【保坂果那】