昨年8月のクライミング世界選手権女子複合で銀メダルを獲得し、20年東京五輪代表に内定した野口啓代(30=TEAM au)が11日、日本山岳・スポーツクライミング協会の19シーズン表彰式に出席。五輪本番に向け、「東京が競技としては最後。集大成としていいパフォーマンスを見せたい」と決意を語った。

年末年始は実家でトレーニングをしたという。12月31日も1月1日も実家の壁を登った。「思い入れがある。登り納めと登り始めは実家で。あれが一番のホームジムだと思っている」と、慣れ親しんだ場所で大事な20年をスタートさせた。

12日からインスブルック(オーストリア)で合宿を行い、来月からのボルダリング(2月8日~、東京)、スピード(23日~、東京)、リード(3月7日~、埼玉)のジャパンカップ3大会に向け調整する。「実家の壁は外なので寒くてスピードの練習ができていなかった。合宿では室内なので強化して臨みたい」と不安要素を快勝し、シーズンに備える。

11歳で競技を始めて20年。「長かったという感じ。クライミングの記憶しかない。終わってから先はいろいろやりたいことがあるけど、まだ何も考えてない」と7カ月後の本番までは競技に集中する。「これまで来年と思っていたが、ついに今年になった。いろんなところで東京五輪特集を目にしていよいよだなと」。 自宅で書き初めを行い、「最」という決意の一文字を書いた。「最初で最後の五輪で最高のパフォーマンスをする」。野口の最後のシーズンが始まった。