ホンダがトップリーグ(TL)通算6シーズン目で初の開幕戦勝利を手にした。ダニー・リーヘッドコーチ(43)は「開幕で勝った。(昨季惜敗した)リコーにも勝った。ハッピー、ハッピーでスーパー・ハッピーだ」と大喜びだ。

W杯戦士が躍動した。前半7分、日本代表WTBレメキ・ロマノラバ(30)が先制トライを決めた。キックパスをインターセプトし、35メートルを駆け抜けた。同22分には南アフリカ代表ロックのRG・スナイマン(24)の強烈な突破から、日本代表プロップ具智元(グ・ジウォン、25)がラックサイドをついてトライを決めた。

レメキは先制トライを「絶対にキック(パス)で来ると思った。分析通り」としてやったり。W杯後の“燃え尽き感”は「全然!」とかけらもない。「W杯も楽しいけど、ホンダの仲間とやるのもメッチャ楽しいよ」。W杯期間中もチームメートと連絡を取り、食事をともにするなど、絶え間なくコミュニケーションをはかってきた。

具は「ラックからこぼれた球をもらったら、うまく前が空いていたので」とトライを喜んだ。このほど韓国国籍を離脱し、日本国籍を取得した。

「W杯の準備中から(日本国籍取得への)気持ちが強くなった。次のW杯も日本代表で出たい、ラグビーに集中したいから」

こう、決断理由を明かす。W杯の活躍で、町中で声を掛けられることも増えた。「女性ファンも?」と問われて「…いや、男ですね。スクラムを好きな男の人」と照れ笑いを浮かべる。

ホンダは昨季、ホワイトカンファレンス5位。レメキは「今季は絶対ベスト8以上ですね」とチームの目標を代弁した。ワールドクラスのパフォーマンスとメンバーが融合して、チームの活性化は間違いない。ホンダがTLの台風の目になる。

◆今季のTL◆ 5月9日まで行われ、16チームが1回戦総当たりで頂点を争う。その後、上位4チームでの日本選手権が検討されている。総入場者数は史上最多の60万人を目標に掲げ、一般販売チケットは第10節までで約33万枚を発券済み。昨季の2倍以上の売り上げで、購入サイトの登録者は45万人に達している