元ニュージーランド(NZ)代表のSOダン・カーター(37)が16日、阪神・淡路大震災から25年の重みをかみしめた。

ヤマハ発動機戦(18日)へ居残りでキック練習を行い「神戸の地域にとって、自分にとっても重要なこと。明日(17日)は思いをささげたい」と真剣な表情で語った。

世界の年間最優秀選手に3度選出された司令塔は11年2月、NZ・クライストチャーチで大地震を経験。その際に救護活動を行った消防士の父が今月、来日した。開幕キヤノン戦前日の11日に「震災のことを学びたい」という父の要望を聞き、神戸の町を案内した。

昨季から加入し、第3高炉の歴史も学んだ。チームで試合ごとに選ぶ最優秀選手は、高炉内にショベルカーで突入した作業員の名から「田中賞」と呼ばれる。カーターは「勇敢な田中さんなど、スチールワーカーがいた。製鉄所だけでなく、他の工場も回った。それがモチベーション」と力を込めた。