19年W杯日本代表として初の8強に貢献した近鉄のロック、トンプソン・ルーク(38)が現役最終戦をトップチャレンジリーグ(トップリーグ2部相当)の優勝で飾った。リーグ戦を7戦全勝で駆け抜けた。

トンプソンの最大の見せ場は後半32分だった。味方のトライで60-0。そのゴールキックに指名され、どよめきの中、中央から約10メートルのキックを成功させて2点を刻んだ。さらにはロスタイムに入った最終プレーで味方がトライ。外れはしたが、仲間に見守られ、今度は右隅から2本目のゴールキックを蹴った。

「うれしいです。試合に勝ちました。だから、ちょっと疲れた。(観客)本当ありがたい。みなさん、16年前から今まで応援してくれた。感動しています」

前半からラインアウトやボール争奪戦で存在感。試合開始前から駆けつけた多くのファンに見守られ、ボールを持つ際には客席から「ルーク!」とコールされた。昨年のW杯日本代表リーチ・マイケル主将(東芝)でおなじみとなった「リーチコール」と同様の声援を受けた。

ニュージーランド・クライストチャーチ出身のトンプソンは、04年から三洋電機(現パナソニック)に在籍。06年からは大阪・東大阪市を拠点とする近鉄に移籍し、常に体を張り続けてきた。日本代表としてはW杯4大会連続出場。「トモさん」の愛称で親しまれた日本を代表するロックは、母国での牧場経営を志し、第2の道へと進んでいく。