東京オリンピック(五輪)代表が、新世代の勢いにのみ込まれた。男子シングルス決勝で張本智和(16=木下グループ)が宇田幸矢(18=エリートアカデミー)に3-4で敗戦。

女子シングルス準決勝では、女子と混合の両ダブルスも含め史上初の3年連続3冠を目指していた伊藤美誠(19=スターツ)が早田ひな(19=日本生命)に3-4で敗れた。早田は決勝でも同代表の石川佳純(26=全農)を下し、伊藤と組んだ女子ダブルスと合わせ2冠達成。男子の宇田とともに、シングルスでは初の全日本制覇となった。

   ◇   ◇   ◇

伊藤の史上初の3年連続3冠への夢は、女子シングルス準決勝でついえた。相手は、女子ダブルスで力を合わせ3連覇を達成した同じ19歳の早田。大接戦の終盤に力尽き、3-4で敗れた。2ゲームを先取されながら、3-3のイーブンに持ち込んだ。だが、最終ゲームに7-10のピンチを迎え、サーブがネットにかかる痛恨のミス。敗退が決まった。

「すごく悔しいんですけど、早田選手の方が上回っていた。いいボールがたくさん入ってきたので、今日の試合は、逆によくここまで戦えたなと思う。早田選手は戦術も調子もよかった。実力も上がっていると思います。(力を)すべて出されて押されてしまった」と悔し涙を流した。

視察した東京五輪日本代表の馬場美香監督(54)は「彼女は(負けても)負けを、どのようにして強くなったらいいかの題材にし、強くなっていく」とさらなる成長へ期待を寄せる。伊藤も「負けてよかったとは思わないが、負けたからこそ頑張れると思う」。東京五輪でもシングルス、混合ダブルス、団体の3種目に出る。今大会の方が試合間隔が短く「一番きつい全日本を経験したことは五輪に生きる」と前を向いた。【南谷竜則】