女子500メートルで佐々木成果(帯広三条3年)が40秒51で全国大会初優勝を飾った。17年全国中学500メートル準優勝、昨年の全国高校スケートも4位だったが、高校最終年で頂点に立った。「スケートをやめないで良かった」と喜んだ。

五輪金メダリストの教えが生きた。記録が伸びずに思い悩んでいた昨年7月、帯広市内で長野五輪500メートルを制した清水宏保氏の講演を聞いた。「高校でやめようと思ったけど清水さんの『僕も負け続けたけど、努力したら結果が出た』という言葉で、気持ちが変わった」。姉陽夏(2年)も在籍する山梨学院大で続けることを決意し、夏場は朝5時から20キロ自転車をこぎ、肉体改造に励んだ。

11月にはジュニアW杯を転戦も、最高で11位。「緊張してバタバタした」。映像を見直し、スタートで体が浮き上がる癖を直そうと「少し高い姿勢からスタートすれば解決する」と微調整した。この日の前半100メートルは全体3位で、自己最速の11秒15。出足の課題を克服し「気持ち的に余裕を持って滑ることが出来た」と勝因に挙げた。

06年3月まで池田監督を務め、06年トリノ五輪出場の及川佑、10年バンクーバー五輪銀メダルの長島圭一郎を育てた後藤陽監督(46)の言葉も力になった。同監督は清水氏と同学年で、162センチの体で世界一になった姿を目の当たりにしていた。152センチと小柄な佐々木にも「小さくても勝てる」と言い続けた。同監督は「努力を続けられるのが成果の武器。大学でもっと伸びる」。ひたむきな姿勢を生かし次代のオリンピアンを目指す。【永野高輔】

▽女子500メートル2位の軍司愛梨(池田1年)「初めての全国高校スケートで表彰台に乗れたのは大きな一歩。1000メートルもあるので、さらに上を目指したい」

▽女子500メートル3位の古川幸希(山形中央2年、新得中出)「スタートは良かったが、最後でうまく加速できなかった。優勝を狙っていたので悔しい」