ラグビーのトップリーグ(TL)第3節最終日は26日、2試合が行われる。注目は昨季決勝と同じ神戸製鋼-サントリー(午後1時開始、ノエビアスタジアム神戸)。開幕3連勝を目指す王者神戸製鋼のキーマンは在籍2季目、元ニュージーランド(NZ)代表SOダン・カーター(37)だ。

世界の年間最優秀選手に3度選出。NZ代表「オールブラックス」では、世界最高のテストマッチ通算1598得点を記録してきた。そんな司令塔が厳しくマークされたのが、36-24で勝利した前節ヤマハ発動機戦(18日、ヤマハスタジアム)。カーターは「前半の20分は特にそうだった。我々が想定していた(相手)防御のシステムと違い、驚いた」と冷静に振り返る。

ヤマハ発動機のプレッシャーは想像以上だった。これまではパスを散らし、相手の素早い出足を感じれば防御ライン裏にキック。自ら仕掛ける選択肢もあったが、カーター起点の攻撃が振るわず、前半19分まで7-10と劣勢だった。それでもSH日和佐を起点とする攻撃に切り替え、後半にはカーター自身の突破から点差を広げた。そのすごさを試合後の記者会見で評したのが、ヤマハ発動機の堀川隆延監督(46)だった。

「プレッシャーを受けてから、プレッシャーをかいくぐるポジショニングを取れる。さすがだと思った」

防御時にカーターへしつこく向かったSH矢富勇毅(34)も感想を口にした。

「もっとやりきれたかな。やっぱり世界で戦ってきた選手。プレッシャーはかかっていたと思うけれど、もっとやりたかった。そこで上回れば、神戸に対してもっとやれた。そこは反省しています。『さすがだな』『うまいな』というプレーは、たくさんあった」

南アフリカ、オーストラリアなど、数々の強豪国の圧を受けてきたカーターは、どう感じているのか-。

「ヤマハ戦が終わって数日間は体が痛かったけれど、慣れてきた。国際レベルの10番は長くやっていると、よくターゲットにされる。ターゲットにされるからこそ、外にスペースがある。ターゲットにされるのは決して悪いことではなく、それをどう生かすかだと思う」

ヤマハ発動機の堀川監督はカーターの対応力をたたえた上で、こうも言った。

「清原(祥)にとっては、すごくいい経験だった」

対面になる自軍SOの成長を期待した。世界レベルの駆け引きには、そんな相乗効果もあるのだろう。

昨季の雪辱を狙うサントリーは、カーターと相対するSOにTL4季目の田村熙(26)を起用した。19年W杯日本代表田村優(キヤノン)の弟に加えて、同代表の中村亮土(28)、W杯オーストラリア代表サム・ケレビ(26)のCTBコンビがBKラインの軸になる。今節も白熱の攻防となりそうだ。【松本航】