全国高校スキーは4日から各会場で競技を開始。クロスカントリー男子10キロフリーで坂井冠太(十日町2年)が23分44秒9で4位に入った。ノルディックのジュニア世界選手権(28日~3月8日)代表の意地を見せ、県勢最高順位をマークした。クロスカントリー女子5キロフリーでは大渕莉子(同1年)が7位入賞。アルペン男子大回転では長崎歩(関根学園3年)が1分58秒89(58秒53、1分00秒36)で5位入賞を果たした。

レース前に立てた10位以内の目標「入賞」を、坂井はあっさり4位でクリアした。ところが、フィニッシュラインを駆け抜け、最初に浮かんだのは悔しさだった。電光掲示板のタイムと順位は、23分44秒9の4位。3位山田龍輔(秋田北鷹)の23分40秒2とはわずか4秒7差。コースの各ポイントでのタイムチェックでは「3位」と告げられており、表彰台を意識しながら懸命の滑りを見せていた。しかし、レース終盤で失速、目標は達成したものの表彰台を逃し、坂井に笑顔はなかった。

「体力に自信があった。『最初から行っても(ペースは)落ちないかな』と思った」。183センチの長身を駆使した大きな滑りで、スキー板に乗るのが坂井の真骨頂。しかし、この日はコースの雪質に苦戦した。「バランスを取るのが難しかった」とフォーム維持のために余計な力を使い、体力を消耗した。「後半に足が疲れて、重くて、フォームが乱れた」。昨年の13位から順位はジャンプアップしたものの「納得のいくレースではなかった」という。

昨年12月の北海道・音威子府(おといねっぷ)大会では28分48秒3で高校男子10キロフリー1位を獲得。1月の全日本選手権男子15キロフリーでも並みいる社会人、大学生に交じり、高校生ではトップの8位に食い込んだ。そうした好成績が認められ、28日開幕のノルディック・ジュニア世界選手権の代表入りが決定した。「『実力はついた』と感じていた」。2年生ながら県大会のフリーとクラシカルのチャンピオンだ。

「全体的に筋力が足りない。後半もフォームを維持できる力がほしい」。伸び盛りの坂井が4位入賞とともに見つけたテーマが「筋力の強化」だ。「自分は後半が強いと思っている」というスタミナと持久力をより発揮するための筋力のアップが、今後の飛躍のキーポイントとなる。【涌井幹雄】