4日に今季限りでの現役引退を発表したバスケットボールBリーグ・レバンガ北海道の松島良豪(28)が5日、札幌市内で会見を行った。指導者になる思いが強く、大学院合格を契機に決断した。今季も主力で出場し選手としてピークを迎えている。「悔いはまったくない。次の世代のためにどうやってつなげていくか。日本を代表する選手を育てたい」と夢を語った。

ムードメーカーらしく秘めた思いを笑顔で明かした。中学まで教わった父良和さん(70)の影響で、学生時代から指導者を希望。国士舘大では教員免許も取得した。プロへの挑戦は「指導者になる前に自分の力を試したい」というのが理由だった。今シーズン前の契約時にチーム幹部に引退の意向を伝え反対されたが「意志が強かった」という。

大学院はオールスター戦が行われた1月18日に「試合より緊張した」という面接試験を受け、同25日に合格した。当初は引退を発表する予定はなかった。「悲しむファンもいると思う。残り25試合、選手としての姿を見せたい」と踏み切った。「引退するけど満足はしてない。試合に出るためチームメートと競争したい」。残りのシーズンを全力で駆け抜ける。【西塚祐司】

○…同じく今季限りで引退する折茂武彦(49)は、松島の決断を寂しがった。15-16年シーズンから一緒にプレーして「厳しいことを注文してきた。僕のなかでは一番成長した選手」と振り返った。28歳という若さに「まだ20代でこれから成長できる。チームに欠かせない愛されキャラ。何とも言いようがない。残念」と話した。

<主な一問一答>

-折茂選手と同じ時期に引退

松島 まねしてきたなと思いました。今まで一番お世話になり、お兄ちゃんのよう。(一緒にプレーして)自分のバスケ観が180度変わって成長した

-引退を伝えた時のに折茂選手の反応は

松島 「早くない?」と言われました。実は2年前にも終わろうかと思っていたが、折茂さんに「もうちょい、一緒にやらないか」と止められるところもあった。

-Bリーグで一番のエンターテイナーがいなくなる

松島 バスケット以外でも携われたのは本当に良かった。「劇団松島」というファンの方が作ってくれた劇団も今季限り。最後に良い形で終わることができたら。

-将来、レバンガ北海道のコーチになる可能性は

松島 恩返しできるのであればやりたい。20年後くらいになると思うが、メディアの皆さんも定年退職しないで同じ形で就任会見をしたいですね。