東京パラリンピックでの日本選手団の金メダル獲得目標が「20個」に設定された。8月25日の開幕まで200日になった7日、日本パラリンピック委員会(JPC)が都内で会見を開き、明らかにした。4年前に定めた金メダル獲得ランキング7位以内を想定したもので、日本は前回16年のリオデジャネイロ大会のゼロから史上最多への大躍進に挑む。

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金メダル20個の目標を明らかにしたJPC高橋秀文副委員長は言った。「真ん中ではなく、高めいっぱいのストライク。チャレンジングな目標設定と認識しています。ただ、それに相当する選手たちの努力がなされている」。

日本は4年前リオ大会で銀、銅合わせて24個のメダルを獲得したが、金メダルは夏季大会で初めてゼロに終わった。JPCはその年に掲げた「東京で金メダル獲得ランキング7位以内」を実現するため、17年1月に特別強化委員会を設置。パラスポーツ関係者だけではなく、有識者、医科学関係者、健常競技の指導者らを交えて討議、研究を重ねた上で具体的な数字を導き出した。

会見に同席した日本選手団の河合純一団長(JPC委員長)は「選手が最高のパフォーマンスを発揮した上で目標のメダル数に到達できるよう、1日1日を大切に選手、コーチらをサポートしていく」と決意表明。18年の世界選手権で金メダルを獲得した車いすラグビーや国枝慎吾、上地結衣がいる車いすテニス、昨年の世界選手権で好成績を残すなど16人の代表内定者がいる陸上のほか競泳、ボッチャ、バドミントンなどの有望競技の存在も高い目標に表れている。

日本にとって金メダルは04年アテネ大会の17個、金メダルランキングは96年アトランタ、アテネ大会の10位が最高だが、その両方の更新を目指すことになる。総メダル獲得数の目標は設定されなかったが、高橋副委員長は「リオの倍、過去最高のアテネの52個を超えることも期待できる」とボルテージを上げ、選手たちにエールを送った。【小堀泰男】

○…JPCは「チーム パラリンピック ジャパン」の発表会も開いた。代表選手団やスタッフ、応援・サポートする人々をひとつにし、東京大会成功とその後のパラスポーツの振興や共生社会の実現へ寄与することが目的。「超えろ、みんなで。」のスローガンやチームマークも発表された。全豪オープンテニス車いすシングルスで10回目の優勝を飾ったばかりの国枝も出席し「全仏、ウインブルドンと目の前の目標をクリアしながら東京では金メダルを目指して存分に力を発揮したい」と抱負を語った。