初優勝を目指すSP首位の羽生結弦(25=ANA)が、フリー187.60点、合計299.42点で初優勝し男子初となる6冠完全制覇「スーパースラム」を達成した。

同5位で16歳の鍵山優真(16=星槎国際高横浜)は同179.00点、合計270.61点でシニア主要大会デビューを3位で飾った。同7位の友野一希(21=同大)は同162・83点、合計251・05点で7位だった。

初優勝を決めた羽生(中央)は、表彰台に登ると指を突き上げ笑顔を見せる。左はジェイソン・ブラウン。右は鍵山(撮影・浅見桂子)
初優勝を決めた羽生(中央)は、表彰台に登ると指を突き上げ笑顔を見せる。左はジェイソン・ブラウン。右は鍵山(撮影・浅見桂子)

<フリー成績と合計点>


順位選手得点SPフリー
羽生結弦299.42111.82187.60
ジェイソン・ブラウン274.8294.71180.11
鍵山優真270.6191.61179.00
金博洋267.6795.83171.84
チャ・ジュンファン265.4390.37175.06
ナム・ニューエン251.6085.24166.36
友野一希251.0588.22162.83
キーガン・メッシング243.9394.03149.90
樋渡知樹240.7888.09152.69
10閻涵239.4182.32157.09
11カムデン・プルキネン226.8284.66142.16
12ブレンダン・ケリー213.1176.70136.41
13張鶴210.0671.58138.48
14イ・シヒョン203.5067.00136.50
15ドノバン・カリーヨ201.0973.13127.96
16ロマン・サドフスキー200.5065.87134.63
17イ・ジュンヒョン198.9572.74126.21
18クリストファー・カルザ171.4560.70110.75
19ジェームス・ミン167.8159.71108.10
20エイドリアン・ポール・セレスティーノ167.6565.11102.54
21マイカ・カイ・リネット156.7150.77105.94
22ハリソン・ジョン・イェン・ウォン155.3056.989832
23チーイー・ツァオ152.8062.5090.30
24ジョーダン・ドッズ148.7850.7498.04

羽生結弦

4Lz/4S/3A/3F/FCCoSp/StSq/4T+3T/4T+1Eu+3S/3A+2T/FCCSp/ChSq/CCoSp

冒頭の4回転ルッツは手をついて着氷。4回転サルコー、トリプルアクセル、3回転フリップも決めた。2つ連続ジャンプの4回転トーループではバランスを崩し、また転倒した。新ルール版対応の「SEIMEI」の曲にのりステップやスピンではレベル4を獲得した。演技後はひざに手を置き、下を向いて1度小さくうなずいた。

<コメント>

(2年ぶり韓国のステージ)緊張しました。今回皆さん、ご存じの通り、コロナウイルスだとか、その他もろもろの問題で来れなかった人とか、あとは僕ら自身もすごく注意したり、運営の方々もすごく注意していたので、僕らも緊張しました。でもこうやって素晴らしい試合ができたのは、皆さんの配慮だとか、スタッフの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。(どのようにお祝い)楽しくお祝いします。(その後に韓国語で)カムサハムニダ、サランヘヨ!

男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる羽生(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる羽生(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる羽生(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる羽生(撮影・浅見桂子)
男子フリー後、プーさんを頭にのせる羽生(撮影・浅見桂子)
男子フリー後、プーさんを頭にのせる羽生(撮影・浅見桂子)

鍵山優真

4T+2T/3Lo/4T/3A+1Eu+3S/FCSp/CSSp/StSq/3F+3T/3Lz/3A/ChSq/CCoSp

冒頭の4回転-2回転トーループは高いジャンプから着氷。3回転ループや4回転トーループも着氷。3連続ジャンプも決めた。ステップはレベル3スピンはレベル4。演技後は何度もうなずき納得いった表情を見せた。

男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる鍵山(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる鍵山(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せた鍵山(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せた鍵山(撮影・浅見桂子)

友野一希

4T+3T/4S/3A+3T/StSq/FSSp/3Lo/3A+1Eu+3S/FCCoSp/3F/3Lz/CCoSp/ChSq

冒頭の4回転を着氷。続けての4回転サルコーとダブルアクセルの連続ジャンプも着氷した。前半で出来なかった連続ジャンプを後半でリカバー。3連続ジャンプも大きなミスなく着氷した。ステップ、スピンではレベル4を獲得。演技後は悔しいそぶりを見せた。

男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリーで渾身(こんしん)の演技を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリー後、笑顔を見せる友野(撮影・浅見桂子)
男子フリー後、笑顔を見せる友野(撮影・浅見桂子)

<出場選手と演技順>

<第1グループ>

クリストファー・カルザ(29=フィリピン)60.70

マイカ・カイ・リネット(18=タイ)50.77

ジョーダン・ドッズ(26=オーストラリア)50.74

ハリソン・ジョン・イェン・ウォン(21=香港)56.98

チーイー・ツァオ(22=台湾)62.50

ジェームス・ミン(19=オーストラリア)59.71

<第2グループ>

張鶴(23=中国)71.58

イ・シヒョン(19=韓国)67.00

イ・ジュンヒョン(23=韓国)72.74

ロマン・サドフスキー(20=カナダ)65.87

エイドリアン・ポール・セレスティーノ(21=フィリピン)65.11

ドノバン・カリーヨ(20=メキシコ)73.13

<第3グループ>

ブレンダン・ケリー(25=オーストラリア)76.70

閻涵(21=中国)82.32

カムデン・プルキネン(19=米国)84.66

友野一希(21=同大)88.22

樋渡知樹(20=米国)88.09

ナム・ニューエン(21=カナダ)85.24

<第4グループ>

キーガン・メッシング(28=カナダ)94.03

鍵山優真(16=星槎国際高横浜)91.61

チャ・ジュンファン(18=韓国)90.37

羽生結弦(25=ANA)111.82

金博洋(22=中国)95.83

ジェイソン・ブラウン(25=米国)94.71


◆4大陸選手権 国際スケート連盟主催で、欧州以外の国・地域(アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカの4大陸)が参加する。第1回は99年で毎年1月か2月に開催。同時期に行われる欧州選手権に対抗し、選手たちに国際経験を積ませることが目的。参加枠は各国最大3人(3組)まで。女子は日本勢が4連覇中(宮原知子、三原舞依、坂本、紀平)。男子は前回大会で宇野昌磨が初優勝。今大会を羽生が制すれば五輪、世界選手権、GPファイナルに続く主要国際大会優勝。国際オリンピック委員会(IOC)の運営サイト「オリンピックチャンネル」は「スーパースラム」と命名しており、男子初。