ショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(17=関大KFSC)がフリートップの151・16点を記録し、合計232・34点で2連覇を果たした。樋口新葉(19=明大)が合計207・46点の4位、坂本花織(19=シスメックス)が202・79点の5位となった。

最終滑走。紀平が女王の貫禄を示した。直前に同じ浜田美栄コーチから指導を受ける劉永(ユ・ヨン、15=韓国)が会心の演技。紀平もトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が1回転半になるミスがあったが、2本目はきっちりと決めて2回転トーループをつけた。重圧がかかる中で安定感を示し、合計223・23点でトップだった劉永を上回った。

1月に約3週間行った米コロラド合宿。4回転ジャンプの練習などと並行し、磨いたのがフリー「インターナショナル・エンゼル・オブ・ピース」の振り付け。振付師のトム・ディクソン氏と手の動きから表情に至るまで高みを目指した。

「少しの差だけれど、ちょっと雑になっている滑りとかがあった。『もう少し流れに沿った、曲にあった感じを意識してほしい』と言われました。『こんなにも違うように見えるんだな』と思いました」

失敗が少なくなった高難度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、跳ぶまでの滑りを曲にとけ込ませる段階になった。

「振り付けから『パッとジャンプのルートに入ったな』っていうのが分かるような感じだった。『そこはなくしてほしい』と言われました」

22年北京五輪金メダルを目標とし、4回転サルコーも特訓中。それでもジャンプの進化だけでなく、プログラムの完成度にもこだわってきた。

今後はチャレンジ・カップ(20日開幕、オランダ・ハーグ)を経て、3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)に向かう。昨季の同選手権は4位。強力ロシア勢も出場する大舞台で、1年間の集大成を披露する。

▽紀平梨花のコメント「今日はちょっと前のヨンちゃんの点数(223.23点)にすごく驚いて、少し緊張しました。1つ目のアクセルにミスがあったんですけど、その他のジャンプでリカバリーできたのがすごくよかった。次につながるいい経験になった」