ボクシングの東京オリンピック(五輪)アジア・オセアニア予選(3月、ヨルダン)に臨む男子日本代表が13日、都内で練習を公開した。

全日本選手権2連覇中のウエルター級代表、岡沢セオン(24=鹿児島スポーツ協会)は「調子はいい。ワクワクもある」とリラックスした様子。試合では“お手上げ作戦”で五輪切符をつかむ。

昨年4月のアジア選手権で銀メダルを獲得し、外国勢相手に自信を持つが、この数年で徹底しているのが、試合中に手を上げること。有効打を打ち込んだ瞬間に、すぐに片手を上げてアピールする。「日本の試合では注意されることもあるんですが…」と声を小さくしながらも、「ルールブックにはダメとは載ってないですから」。

海外のトップ選手の中で同じようなアピールをする選手がおり、それをまねた。その効果は「そこで一度攻防が切れる。こっちが手を上げている時に、強引にがーっと来る選手はいないので。それで1回、1回の駆け引きにできること」。間断なく流れの中で打ち込まれることは苦手。「1回の駆け引き勝負なら自信がある」と採点で優位に立ってきた。

五輪出場がかなった後も、「僕はずっとアマ。アマがプロの下ではない。面白し、ずっとやります」と生涯アマチュア一筋を誓う新鋭。真夏の東京でも拳を振り上げまくる。