破格の賞金大会が開催される。競泳コナミオープンの前日練習が14日、東京辰巳国際水泳場で行われた。

五輪イヤーの今大会は、世界新記録3000万円、日本新記録500万円のボーナスが設定されている。すべての種目が対象で、予選と決勝で日本新をともに更新すれば、500万円+500万円で賞金1000万円が贈られる。もちろん世界新を2度マークすれば、合計6000万円になる。

男子背泳ぎの入江陵介(30=イトマン東進)は「(今大会では)現実的に厳しいかなと思うが、賞金レースが増えることはスポーツ界にとっていいこと」と私見を述べた。その上で「水泳は賞金では食べていけないスポーツだが、今後増えていけば、水泳の未来は明るい。子供たちも『水泳選手』という仕事に憧れを持ってくれる」と話した。

日本では大学卒業後は企業がスポンサーになって選手の活動をサポートしている。入江は「僕はスポンサーに恵まれています」と感謝した上で、一般論として「日本はアスリートが賞金目的で戦っちゃいけないという、変な美学がある。『勝負に徹する』とか『他のことをやるな』という風潮があったりする。それは変わっていかなきゃいけないと思う。お金がなければ、体のケアもできないし、トレーニングに必要な器具も買えない。賞金大会が増えてくれば、競技のプラスにできることがある。競技力が上がると信じている」。

米国では企業、水泳連盟、オリンピック委員会などが補助金という形で選手の活動を支援する。また小さな大会も小額ではあるが、ボーナスがあるという。入江は「僕たちは水泳をやっているが、それ以外の生活も充実させないといけない部分があるし、ご飯を食べるにしてもお金はかかる。一生できるスポーツじゃないし、安定しているとはいえないでしょう。将来に向けて貯金することで、競技に打ち込めることもある。ただトレーナーさんに体のケアを頼んだり、パフォーマンスのために、ケチってはいけない。お金はかかるものです。うまく賞金大会が増える流れが出てくれば、スポーツ界全体もうまくいくんじゃないかと思う。子供たちが『水泳選手』に、スポーツ選手に憧れてもらえるようになればいいなと思っています」とした。