無敗同士の対戦は、昨年W杯日本大会で活躍したプロップ稲垣啓太(29)フッカー堀江翔太(34)擁するパナソニックが、同日本代表主将のNO8リーチ・マイケル(31)擁する東芝に7トライを奪い、46ー27で勝利した。後半一時逆転を許したが、終盤は強力FWを封じ、一気に4トライを奪って突き放した。3トライ差をつけ、ボーナスポイントも獲得、5戦全勝で首位をキープした。

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パナソニックが終盤に強さを発揮し、首位攻防戦を制した。22-27の後半16分から、ルーキー竹山と、リザーブだった山沢、小山が一気に4トライ。層の厚さを見せつけた。主将の堀江は「自分もベンチが長かったので気持ちはよく分かる。熱くなりすぎず、よくやってくれた」と褒めた。

ホームに響く東芝ファンからの「リーチ」コールを鎮めた。要警戒だった相手に突破を許さず、ボールを持つとすぐにつぶし、攻撃の芽を摘んだ。「後半は崩されて攻撃も守備もできなかった」とリーチが完敗を認めたほど。堀江は「戦術は間違ってなかった。前半は個人のタックルミスが多かっただけ。最後は修正できた」と話せば、稲垣も「パスやブレイクダウンの精度を練習してきた。難しい時間帯で発揮できたのが勝敗を分けた」と納得の表情を見せた。

初戦に続くホームでの試合に2万2705人の観客が訪れた。前回を約5000人上回り、同会場でのトップリーグ最高入場者数を更新。稲垣は「モチベーションが上がる。W杯後もお客さんの熱量が継続されていてうれしい。だからこそ激しい試合をして恩返しする」といつものように無表情で喜びを語った。

14日には練習会場にバレンタインデーのチョコを持ってくるファンの姿も。個数などを聞かれた稲垣は「群馬の会場まで来てくれてうれしい。何個とかではなく、グラウンドで結果を出すだけ」と照れながらはぐらかした。W杯後も続くファンの熱い思いと甘い思いを力に変え、パナソニックが全勝対決を制した。【松熊洋介】