柔道の東京オリンピック(五輪)代表選考の1つである、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(ドイツ、21日開幕)の組み合わせ抽選会が20日、会場のISSドームで行われた。

今大会は男女14階級で、116の国と地域の選手670人が出場する。抽選会には、各国の監督や報道陣ら約300人が出席した。世界中で感染拡大している新型コロナウイルスだが、会場でマスクを着用しているのは、一部の日本メディアのみだった。欧州ではマスク着用の習慣がなく、海外でマスクを着用するアジア人が差別的な扱いを受け、問題となっている。18日に現地入りした男子代表の井上康生監督(41)は「海外選手やコーチらと絡む時間もなかったため、コロナに関してはあまり聞いていない」と現状を説明した。

今月上旬のGSパリ大会では、新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響により中国代表が出場を回避。出場予定選手がビザを取得出来ず、選手登録を断念する形になった。今大会も中国代表は出場していない。

国際柔道連盟(IJF)のビゼール会長は、GSパリ大会の組み合わせ抽選会で、今後も五輪出場枠に関わる大会への参加が制限される可能性を考慮し「深刻な問題で特別な状況。影響を及ぼさないために、国際オリンピック委員会(IOC)に出場枠付与を提案している」と述べていた。