16年リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダルの高藤直寿(26=パーク24)が優勝し、2大会連続の五輪代表が濃厚となった。

初戦の2回戦から準決勝まで圧巻のオール一本勝ち。決勝は台湾選手が棄権したため不戦勝で優勝を決めた。「やっぱり、僕は持ってる。4年前にリオ五輪で負けてから、悔しい銅メダリストとして生きてきた。金メダリストになりたいから頑張るという感じで臨んだ」と冗舌に言った。

五輪代表選考は、東海大の後輩の永山竜樹(了徳寺大職)に猛追され、危機感を抱いていたが完璧な準備を進めてきた。「無難に勝つ」をテーマに掲げ、「指導で勝つ。多彩な技を出しながら勝つなどこれが無難。今日はそれが出来たし、今が一番強い高藤直寿だと思っている」と強調した。前夜は永山が夢に出てくるほど意識していたという。

取材終盤も高藤節をさく裂させた。この日は高藤のほか、阿部兄妹の金メダル、翌22日は男子73キロ級の最強王者こと大野将平が出場する。「今日は勝ったけど(阿部)一二三もいるし、気が重い。明日はさらに将平先輩がいるから気が重い。(2人に話題を持っていかれ)日本中が全員俺を忘れるし、不戦勝だとさらに忘れる」。ため息をつきながらも「けど勝って良かった」と、気分良く取材エリアを後にした。