【ハーグ=エリーヌ・スウェーブルス通信員】全日本選手権4連覇中の宇野昌磨(22=トヨタ自動車)が91・71点を記録し、首位に立った。

4回転トーループからの連続ジャンプが単発となったが、以後の要素をまとめた。年明けから06年トリノ五輪銀メダルのステファン・ランビエル氏がメインコーチに就任。世界選手権(3月、カナダ・モントリオール)へ完成度を高めていく。田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は3位となった。

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宇野は高揚感を抑えきれなかった。約2カ月ぶりの競技会。冒頭で「完璧でした」と自己評価する4回転フリップを決め、次に不安がよぎった。「やべぇ、やってねぇ…」。直前の6分間練習で1本も跳んでいなかった4回転トーループからの連続ジャンプ。“ぶっつけ本番”は1つ目の着氷が乱れ、単発になった。それでも笑顔で滑りきり「『いつもより踊ろう』とかいろいろ考えていたら、危なかった。細かいミスを改善したい」と前向きだった。

メインコーチ不在で臨んだ今季だったが、年明けにランビエル氏が正式に就任。スイスで練習を積んできた。師事の理由は「『うまくなりたい』よりも『スケートを楽しみたい』。ここなら楽しめると思った」。同コーチからは楽しさだけでなく、スピンの細かい技術などを教わる。照準は3月の世界選手権。日本時間23日に迎えるフリーの演技へ「自分の現状を試合に出したい」と誓いを立てた。