山形県東根市出身で、今年の全日本卓球選手権男子ダブルスで3度目の優勝を飾った三部航平(22=専大4年)が今春、実業団のシチズン時計に入社する。Tリーグ(岡山リベッツ)と両立しながら、さらなる高みを目指す。

三部は小学6年で全国初優勝を経験し、中高は青森山田に卓球留学した。同校が卓球を強化指定部にしていた最後の世代で「青森山田に集まる選手は、自分で考えながら卓球に打ち込む。自分も自主的に考えて卓球と向き合うようになった」。高1、2年では、先輩の森薗政崇(24=現岡山リベッツ)と組んで全日本ダブルスを連覇。今年は、及川瑞基(22=専大4年、宮城県出身)とペアを組み、5年ぶりに同タイトルを奪回した。三部は「パートナーの良さを引き出すのが得意。自分の足りないところを補ってもらえるし、逆に味方の弱点は自分がカバーして戦える」とペアを分析する。

専大でも昨秋の関東学生リーグ1部でシングルス7戦全勝と、5シーズンぶりの優勝に大きく貢献した。「ダブルスの方が結果が出ているだけで、シングルスが苦手というわけではない」。実績的には十分だが、まだ日の丸を背負って戦うイメージはできないという。「現実主義なので、現時点では考えられない。直近の試合で勝つことを目標に、徐々にオリンピックが視野に入ってきたらいいかな」。東京オリンピック(五輪)の男子出場3枠は仙台市出身の張本智和(16)らに決定し、狙うは4年後のパリ五輪。新たなステージで腕を磨く。【佐藤究】

◆三部航平(さんべ・こうへい)1997年(平9)7月13日生まれ、山形県東根市出身。小学1年で父と兄の影響で卓球を始め、09年の全日本選手権ホープスの部優勝。11年全日本選手権14歳以下男子シングルス優勝。青森山田中では12年全国中学で団体とシングルス2冠。青森山田高では15年全国総体シングルス優勝。専大では18年の全日本大学で団体優勝。全日本選手権は14、15、20年にダブルスを3度制覇。19年1月に日本Tリーグの岡山入り。最新2月の世界ランキングは298位。