チアリーダーの喜怒哀楽を伝える「みちのくチア探訪」第2回は、バスケットボールBリーグ2部の「山形ワイヴァンズチア」。今季から社会人となり、仕事とチアの二刀流となったNANAKO(年齢非公表)に迫ります。

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チアの衣装に着替えたら、スイッチが一瞬で切り替わる。NANAKOは、医療関係の仕事着を脱げば、エンターテイナーに早変わり。「時間が不規則で深夜勤もあったりするので、まったく寝ないで試合に臨むこともあります。仕事から試合会場に直行なんてことも。体は疲れる時もありますけれど、本業も頑張りたいし、両立する楽しさは、すごいあります」。長い手足で、華麗なダンスと笑顔を届け続ける。

18年1月、自身の成人式に出席し、人生が変わった。日大山形高時代はチアダンス部に所属し、野球の甲子園応援などで最前線に立っていた。専門学生となった約2年間は、チア生活から離れていたが、山形チアが躍る成人式祝賀セレモニーに感銘。「1人1人にパワーと笑顔を届けてくれた。私も誰かを笑顔にしたいと思って応募しました」。活躍の場が、Bリーグの舞台となった。

友人に誘われて小3から天童スマイルチェリーズで楽しさを知った。小6時にはチアリーディング&ダンス大会の国内最大級「usa大会」で期待度NO・1の「バニーズ賞」獲得。高校時代には、競技としても全国2位の実績も持つ。

忙しい中でも時間をつくって「千葉ジェッツのダンスはすごいので参考にしています」。量も質も圧倒する他チームのライバルからも、ユーチューブ動画などで研究を欠かさない。「睡眠も最低6時間。食生活も野菜を多く取ったりスープを飲んだり」と健康や美意識も高めている。「勝っていても負けていても、常に笑顔でバスケの楽しさ魅力を伝えていきたい」。大きな口での笑顔が、チャームポイントだ。【鎌田直秀】