無観客にもかかわらず、熱い試合が繰り広げられた。約3週間ぶりに再開されたリーグ戦は、くしくも東北勢同士の対決となり、75-69で、東地区首位の仙台89ERSが5位福島ファイヤーボンズを下した。

試合前には11年3月11日の東日本大震災で犠牲になった方々に、両チームから黙とうがささげられた。ブースターの声援も、チアリーダーの応援もなかったが、ホーム福島のベンチは、いつになく盛り上がっていた。

仙台は、第1Qにジェイコブセンが10得点をマークし主導権を握る。23-19で終えると、第2Qにはミラーが11得点で差を広げる。第3Qを終え7点のリードを許した福島も最後まで諦めない。第4Q残り2分には65-65と同点に追いつく粘りを見せた。試合中にはMCが、地元福島ブースターから寄せられた激励メッセージを紹介。「久しぶりの公式戦を楽しんでハッスルしてください」。応援にかけつけられないファンのためにも、選手たちは全力をつくした。

試合前日の13日、福島は組織コンサルティング事業を展開する「株式会社識学」の子会社になることを発表。約6300万円の債務超過を抱える中、識学が出資を行うことで、債務超過が解消される見込みとなり、降格危機は脱した。再スタートの節目となった試合で、期待を抱かせる試合を見せた。【野上伸悟】